高原の頂きを探して – 古峰ヶ原

2年前、古峯神社から夕日岳へ登り古峰ヶ原峠へ下山した。下山後は古峯神社にも参詣し、これで古峰ヶ原には行ったものだと思っていたが、そうではなかったようだ。古峰ヶ原峠や古峯神社とは別に、古峰ヶ原という名のピークがあることをつい最近知ったのだ。

登山地図で探しても古峰ヶ原は見つからなかった。どうやらそれは古峰ヶ原峠から南へ歩いたところにあるらしい。それは登山地図の範囲外なので見つからないのも当然である。2年前にピークを踏み損ねたのも致し方あるまい。

というわけで、秋の終わりの週末に、2年越しの登頂を果たしにやってきた。

古峰ヶ原峠に車を停めて歩き始める。ここは紅葉の名所だが、紅葉は完全に終わっていた。今はもっと標高の低いところが最盛期のようだ。まあいい、紅葉狩りはあとにして、まずは古峰ヶ原に登頂だ。

寂しげな登山道を歩いていく。峠まで車で登ったので、たいして起伏はない。葉を落とした灌木林の間をとぼとぼ歩く。道は平坦で、まさに「原」である。そろそろこのあたりだよなと思うものの、平坦過ぎてまったく山頂感が無い。

登山道から外れた踏跡があったので辿ってみると、20mほど進んだところに古峰ヶ原の「山頂」はあった。いちおう山名板に三角点もある。それにしても山頂らしさがない。どちらを見渡しても灌木林が広がっている。ここ、これでも関東百名山なんだよね。

さえないと言えばさえない山頂だが、こんな山があってもいい。雑誌やネットでよく見る風景を追体験しに行くよりもよっぽどおもしろみがある。

登山道にもどり、少し進むと三枚石だ。

斜めに積み上がった三枚の巨石に強引に祠が繋げてあってなかなかである。巨石は崩れないようにコンクリで固めてあり、ありがたいのかどうなのか悩ましくなる。

まったく知らなかったが、愉快な場所だ。

三枚石から先へ進むと方塞山に着いた。

見晴らしが良く、広い山頂だが、テレビ中継所があり牧場が隣接している。ここもまた不思議な味のある山頂だ。

ここから前日光ハイランドロッジまで下り、横根山に登ったり井戸湿原を散策したりすることもできるが、それだと一日がかりになってしまう。今日はここまでにして、古峯神社の紅葉を見に行こう。

2022年11月