春の雪

ぽかぽか陽気の春うららな土曜日から一転して、日曜は朝から雪が降り出した。まったく春が来たり冬に戻ったり忙しい。

降り始めた雪は、土と芝生を白く染め、やがてアスファルトにも降り積もっていった。しばらく目を離していたら、窓から見えるのはすっかり雪景色だった。

午前中で降り止んだら近場の山へ出かけるつもりだったが、午後になっても雪は降り続けている。そこで、近所のハイキングコースを歩いてみることにした。私が住んでいるのは標高130mほどの丘陵地帯で、車道や歩道とは別に、山道も通っているのだ。

まずは、このあたりで最も標高の高いと思われる給水塔まで登った。

ここは丘陵地帯の外へ出る峠のひとつでもあり、冬季は凍結して車両通行止になっていることもある。

階段状の建築としてマニアには知られていた団地もここにある、いや、あった。もう閉鎖されて10年以上も経つだろうか。だんだんと取り壊されて普通の団地に建て替えられていて、いまでは最上部の二棟しか残ってないようだ。

給水塔の少し先が山頂っぽくなっている、ここから反対側へ降りてみることにした。

駅とは反対なので、こちら側に来ることはあまりないのだが、単なる山道ではなくちゃんと整備されていて、降りていくと小さな自然公園になっていた。

ここから青い団地を突っ切って、アポロ公園で散歩は終了。

ここは私の住んでいる隣の地区であるが、私のところより一層寂しく殺風景で、老人ばかりである。東ドイツとか北朝鮮とか言われてしまう、ひと昔前の社会主義国的な風景である。

この地区の中心は、ものすごくしょぼい商店街だ。それも、ひと気がなく古ぼけた、社会主義国の市場のような商店街である。

数件しか店舗がないのに、ほとんどシャッター街だ。

こんな商店街に何を血迷ったか数年前にオープンし、健気にも営業し続けているラーメン屋で温まろうと思ったが、あいにくの定休日だった。

侘しいスーパーで買い物して帰った。