裂かれた丘陵 – 雹留山

閑散とした住宅地を抜けて、緩やかに蛇行する舗装路を登っていく。

東京都の西の果て、あきる野市の秋川丘陵を歩いている。

舗装路から未舗装の林道へ入った。

この林道に沿って、丘陵の稜線を進んでいき、秋川丘陵の主稜雹留山を目指す。

標高が低く街が近い。

林道の北側はサマーランドの敷地である。鉄門の向こうは有料の世界だ。

しばらく歩いて行くと、大正生まれの人物による雹留山の思い出が掲示されていた。そこで林道を逸れて、一段高くなった小ピークに登った。

ここが雹留山なのだろうか?

あたりを見回したが、山頂表示は見当たらなかった。

ピークの反対側には、真新しい朱色の鳥居と石造りの小さな社があった。これが大正生まれの男の言う社であろうか。

社の向こうには、広大なゴルフ場が広がっていた。

北は遊園地、南はゴルフ場、その間は林道と、丘陵地帯もズタズタに切り裂かれている。

この場所は、地形図での雹留山の位置と少しずれている。

地形図上では、さらに東へ100mの地点に山頂が記されている。

林道にもどり、東へ100m進んだが、そこはただの林道だった。特別標高が高いわけでもない。

林道脇の土手に登ると、その向こうのゴルフ場が見えた。