秋の終わりの秋晴れの山 – 日光白根山

ロープウェイの駅を出ると、ぽこぼこぽこと丸い三つのデコボコピークが正面に見えた。あれが奥白根山の山頂だ。

写真ではよく見る眺めだが、実際に目にするのは初めてである。何年か前に登ったのは北側の菅沼登山口からであり、こちらへは歩いてきていない。

ほんとはロープウェイに乗るつもりはなかったのだけれど、寝坊したので課金した。いつもならそれでも歩いて登るところだが、そうしなかったのは今夜のラグビーワールドカップの試合が見たいからだ。昼過ぎには下山して、夜までに帰宅したい。

見たかった角度からの山頂が見えて満足したとはいえ、ここで終わりというわけにはいかない。いちおう山頂を目指す。ロープウェイ代金の元も取らなければならない。

飛ばして登ったら30分で森林限界を超えていた。ロープウェイのおかげであっというまに景色がよくなり、ありがたみが薄い。

さらに急ぎめで登ったところ、標高が上がったのもあってバテてしまい、ここまででごぼう抜きした人たちに次々と抜き返されるという失態を犯してしまった。まったく子供かよ…と自分で自分にツッコミを入れた。

ようやくここで、左右で違う靴を履いていることに気づいた。どうりでなんだか右だけ滑ると思った。右側に履いていたのは、側面に穴が開き底が剥がれかかってて捨てるつもりの靴だった。左は新品である。まったく子供かよ…。

天気は悪くない。眺めもいい。出発時には混雑していたが、適度にバラけたので快適だ。山頂までの残りの区間をのんびり進む。

狭い山頂はさすがに人でいっぱいで、少し下って休憩した。

急いで登った分、時間には余裕がある。五色沼に寄り道してから、もどることにしよう。

五色沼越しに奥白根山が見えるポイントを探してうろうろ歩く。大雨の後なので水位が上がっており、ところどころは踏み跡が水に浸かっていた。歩くとずぶずぶと沈んでしまう。沼だもんな。

紅葉した葉は散ってしまい、華やかだった山は冬へ向かおうとしていた。空は秋晴れ水麗しく、山の秋もそろそろ終わりである。

まあまあ気に入った写真も撮れた。そろそろ帰ろうか。

ロープウェイ駅までもどってきたときには、そのまま歩いて下山しても間に合うくらいの時間の余裕があったがロープウェイに乗った。なぜなら往復券を買ってしまっていたからだ。片道にしておけばよかった。

帰りもケチって高速は使わず下道を走り、時間に余裕あったはずなのが、だんだん渋滞してきてイライラジリジリしたけれど、高速も混んでるからと自分に言い聞かせてがまんした。

そしてキックオフ5分前に帰宅。時間とお金を効果的に使って自己満足の一日であった。