雨の休日は下道でドライブ – 富山
日は沈み、薄暗くなりかけた午後5時30分、ようやく海に着いた。
ここは岩瀬海岸というらしい。
自宅から甲州街道を西へ 向かい、塩尻からは北アルプス方面へと進路を変え、沢渡も平湯も新穂高温泉も素通りして北へ進み、10時間かけてようやくたどり着いた。途中の諏訪でハルピンラーメンを食べた以外は、全く休憩もしていない。おかげで暗くなる前に、なんとか到着することができた。
今年最後の三連休、登る山も決めて楽しみにしてたのに天気予報は最悪で、しかたなく山はあきらめて海に来たのだ。どうせなら日ごろは行けないところにしようと、太平洋ではなく日本海まで一日がかりでやってきた。そういえばずっと日帰り圏内から出てなかったもんな。
人の気配のない海岸を砂浜に足を取られながら歩く。西の空の残照がしだいに暗みを帯びてきた。ここから見えるはずの立山連峰は、厚い雲に遮られている。
海を見に来たのだが、海を見るだけが目的ではない。
すっかり夜になった富山駅前にもどり、ホタルイカの沖漬けや、げんげの唐揚げや、白エビやらブリやらアオリイカやらの刺身とともに富山の地酒をぐいぐい飲み、最後は立山そばで〆とした。
三連休二日目は朝から雨だった。初日は晴れ間の出ていることもあり、これなら山に行けたかなとちょっぴり後悔もしたが、やはりやめておいて正解だった。
午前中は、このあたりで訪れたことのない五箇山や城端を歩いて回り、再び富山駅前にもどってきた。
日本一値段の高い丼ものである白エビ刺身丼を奮発しようと思ってたのだが、50人くらい並んでたので断念して、チープに富山ブラックの昼ごはんとなってしまった。血圧が上がるので、できればやめておきたかったのだが…。
富山ブラックは、スープもしょっぱいが、それよりもメンマが超しょっぱい。このメンマ一本でご飯一杯食べられそうだ。なんとも体に悪そうな食物である。
遅い昼食を済ませ、駅地下のスーパーでマス寿司とかまぼこと地酒を買ってから、海岸沿いを東へと車を走らせた。
親不知を超えて糸魚川で南に折れ、白馬にも八方にも扇沢にも立ち寄らず、一気に中房温泉まで移動した。二日かけて北アルプスをぐるっと一回りしたことになる。
三日目だけは天気もまあまあそうだったから、朝から有明山に登り、下山後は有明荘で三日分の汗を流した。
ここから先は帰り道だ。甲州街道をこんどは東へと進んでいく。
帰宅したのは午後9時過ぎであった。三日間ずっと下道を走った。めんどくさいなと思ったが、安房峠もぼったくりトンネルを使わずに山越えした。走行距離は約900Km、運転時間は述べ22時間ほど。移動の経費はガソリン代だけなので、7000円もかかってないだろう。
目的の山には登れなかったが、これはこれでなかなか楽しい三連休であった。