徹夜で登山 – 八幡平
眠い。眠すぎる。
仕事を終えた金曜の夜から車を走らせ、徹夜で運転し続けている。寝たのは明け方に車を停めて20分仮眠しただけだ。何か食べたら眠気に負けてしまうので、夜食も朝食も取ってない。いい歳してなぜこんな無茶をしてるかというと、天気がマシなのがこの日しかなかったからである。
向かっているのは岩手県の八幡平。ほんとは裏岩手を縦走したかったが、天気予報が芳しくないので、せめて八幡平だけでも歩いておくことにしたのだ。八幡平なら小一時間で終わるから、寝不足フラフラでもなんとかなるだろうという、比較的山をナメた考えである。
最後の山道は気絶しそうに眠かったが、なんとか気力を振り絞って運転し続けた。駐車場に着いたらひとまず仮眠するのだけを心の支えにして、自宅から15時間で八幡平の見返峠駐車場に到着した。

到着してみると、八幡平の空は青く晴れ渡っていた。予想では曇りだったのだが、完璧に青空だ。これは仮眠してる場合ではないのではなかろうか。どうせ小一時間だし、よく整備されて危険箇所もないはずだ。寝るのは後にして、とりあえず行ってこよう。
まずは山頂を目指して登る。といっても標高差はたいしてない。過剰なまでに整備されていて、登山道というよりも遊歩道といったほうが適切な道だ。

山頂は、ここが最高地点であるというだけの場所だった。狭いスペースに立派な展望台が設置されている。展望台からは八幡平が見渡せるのだが、なんだか樹木が多くて想像してたのとは少々違った。

駐車場から山頂まで30分もかかっていない。徹夜で15時間運転して来て、これだけで下山するのはあんまりなので、八幡沼をぐるっと回ることにした。車にもどって寝るべきだとわかってはいるが、寝不足が過ぎてハイになっていたかもしれない。

小さな沼はあちこちにあるが、八幡沼は沼という言葉が似合わない程度には大きな沼だった。日の光が水面に反射してキラキラ光っている。
八幡平、なかなか良いところではあるものの、やはり岩手山からいくつもの山を超えて来るべき場所だよな。

八幡沼から先もいくつかの山に寄りつつ下山できるのだが、車を停めた見返峠へもどらなくてはならない。
残念だが、今回の八幡平はこれで終わりだ。

名残惜しいので長々と休憩したりしていたが、歩き始めたらあっという間に駐車場に着いてしまった。
車に乗り込むと、疲労と眠気がどっと押し寄せてきた。深々とシートを倒して目を閉じた。
2026年9月





