怪しい爺さんと小汚いおっさん – 阿須山
西武池袋線の仏子駅で降りたら想像以上に小さな駅だった。いちおう急行や快速も停車するのだが、これは所沢より先はすべての駅に停車するからに過ぎない。もちろん特急は通過する。
今日はここから山へ向かう。

住宅街を抜けて山の入口に着いたはずだが、登山口を示す表示は何もない。代わりに透明人間殺人鬼に関する告発文が掲げられている。すでに怪しさ100%だ。
舗装路を登っていくと、住居なのか資材置場なのかよくわからない構造物…というかゴミの山のようなものがあり、住人と思しき老人が歩いていた。その様子があまりにもヤバそうなので、目を合わせないようにしてそそくさと通り過ぎた。入口の看板はこの人が立てたに違いない。

舗装路を登って稜線に出ると、そこも舗装路だった。なにを言ってるのかわからないかもしれないが、稜線の縦走路がすべてアスファルトだったのだ。一部ではない、ずーっと舗装路だ。
まるで公園のようだが、標高は低いもののいちおう山である。舗装路の左右は斜面だ。舗装された尾根道なんて、なかなかお目にかかるものではない。

山頂への分岐からようやく土の道になった。ようやく山道かと思ったのも束の間、あっさり阿須山に到着した。
阿須山…あずやまと読むのだろうか、あずさんだろうか。いずれにせよ親近感の湧く山名だ。できることなら「山」は「さん」と読んでほしい。

山頂の少し先に展望台があるらしいので行ってみた。軽い気持ちで来たが、ずいぶんとまあ立派な展望台だ。
雲が多くて微妙な天気だけど上まで登ってみると、中途半端な埼玉の風景が見えた。

帰りは子どもの森公園へ下山した。サイケデリックなキノコの家がある公園だ。休日の午後だからか、公園は子どもでいっぱいだった。
それにしても、登り口の怪しい雰囲気と比べると、まったく正反対の健全で明るい公園だ。

キノコの家の他にもそそる建物がいくつもある。内部に入ってみたかったが、幼い子ども連れのファミリーでいっぱいだったので、小汚いおっさんは入りづらくてやめにした。
若くて身なりの良いお母さんたちから見れば、登り口の怪しい爺さんも小汚い自分もあまり変わらないかもなと思うと、ちょっと悲しかった。
2025年12月





