自粛と登山 – 赤ぼっこ / 天狗岩

緊急事態宣言は解除されたが、県をまたいでの移動は自粛という中途半端な日々が始まった。梅雨入り前の貴重な晴天だ、都内でいいからどこか登ろう。

閉鎖されていた奥多摩の駐車場も、この週末から開放され、都民に限っては人目を憚らず利用できるようになる。とはいえ土曜の早朝では、まだ閉鎖されたままだろう。そこで青梅へ行き、コインパーキングに駐車して歩くことにした。

市街地を抜け、公園を抜けて、山道に取り付いた。

久しぶりの山らしい山に心が弾む。林道だって低山だって、展望のない樹林帯だって、久しぶりなら楽しいものだ。

赤ぼっこからの眺めはとても良い。新宿新都心やスカイツリーだけでなく、筑波山まで見えるらしい。この日は霞んでいて、遠くの景色は判別し辛かった。

山頂でのんびりしてたら、徐々に人が集まってきた。普段ならほとんど登ってくる人はいないのに。みんな行くとこないんだな。

個人的な意見としては、自粛なんてしなくていいだろうと思っている。なにをしたってどうせ死ぬときは死ぬんだし、びびって閉じこもるより楽しく踊ったほうがいい。では、なぜ政府の指針通りに行動してるかといえば、そのほうが楽しいからだ。東京の都市封鎖こそならなかったが、いまや全世界的に行動自粛ムードである。こんなことは誰もが初体験だ。だったらこの状況に乗っかってみようと思った。いまのこの時代性を体験できるまたとない機会だ。何年か後に、あの時はたいへんだったよねと語り合える世界共通の話題の真っ只中にいるのだから。それに、行動には多少の制限があったほうが楽しみも大きい。自粛中に何をしようか、どこに行こうかと考えるのも新たな発見につながる。移動が解禁になった際の喜びも自粛してこそだろう。自粛なんて関係ないぜと無視して行動する人は、それはそれで好きにすればいい。できないことを嘆いて過ごすのも、その人の自由な人生だ。

天狗岩へ移動し、愛宕山まで歩き、最後はバリエーションルートで下山した。

楽しかったけど、あっという間だった。まあでも久しぶりだから、これくらいでちょうどいいか。あとは青梅駅まで歩いて帰ろう。帰りにどこか開いてるお店でお昼ごはんを食べよう。

2020年5月