ブラジルタウン大泉町
群馬県大泉町、ここでは人口4万人のうち8千人が外国人である。実に、5人に1人が外国人ということになる。
居住外国人の約6割がブラジル人だ。ペルー人、ボリビア人も合わせて南米系で7割を占める。バブル時代に工場労働者として来日した日系南米人が定住し、いまではその子や孫の時代になっている。
東武小泉線の西小泉駅を出ると、目の前にあるのはブラジル食材店だった。
街のあちこちで、ブラジル国旗を掲げた店舗を目にする。ポルトガル語の表記も多く、肉屋の看板は日本語とポルトガル語が併記されていた。
中心街だけだと、見かけるのは外国人の方が多いくらいだ。
大泉町は、思った以上にブラジルだった。
メインストリートは広く、高い建物もないので空が大きい。この閑散とした郊外感が、なんとなくブラジルの地方都市を思わせる。
ブラジル食材専門のスーパーも二軒あった。各種豆類や豊富な肉類、ぐるぐる巻きのソーセージ、サトウキビのお酒や輸入清涼飲料水など、買いたいものばかりだ。
ここで買い物したら、レジの声掛けがポルトガル語だった。おそらく「袋はいりますか?」と尋ねてるんだろうと思ったが、よくわからず微笑んで突っ立っていると、日本語に切り替えてくれた。
スーパーの片隅にはベトナムやタイの食材も売られていた。街にも様々な国のレストランがある。大泉町に居住している外国人はブラジル人ばかりではない。
南米系で7割を占めるが、残りの3割は主にアジア人である。ネパール、ベトナム、フィリピン、インドネシア、中国、インド、カンボジアといった国の出身者が多いそうだ。WiFiショップでは、8つの言語に対応していた。
歩けば歩くほど面白い発見のある大泉町は、いま日本で最も外国に近い街なのかもしれない。
2021年5月