山と僕とのほどよい距離感 – 御岳山 / 大岳山

三週続いて週末は雨。こんなに長く山行きが空いたのは、ここ数年なかったと思う。そしてこの週末もまた雨。そろそろ気分もくさくさしてきたので、雨でも行くことにした。

近場でさらっと登れるとこで、御岳山から大岳山へ行き奥多摩へ下りることにした。これくらいなら雨に降られてもがまんできる。

麓のロープウェイ駅から1時間ほど登ると、唐突に町が出現する。ここが御岳の集落だ。なんとも普通の町で、ここが山の上だと思うと不思議な気分になる。

重たい灰色の空から雨の粒が落ちてきた。予想してたより早く降り出した。あとは土砂降りにならないよう願いたい。

御岳山からは奥の院経由で大岳山へ向かう。こちらの道を歩くのは数十年ぶりだ。ちょっとした想い出のある道だ。そういえばあの日も雨だったな。

いつもは賑わう大岳山も、こんな天気の日には誰も登ってこない。

大岳山からさらに先へ、奥多摩駅を目指す。

穏やかな山道を黙々と歩く。優しい雨に濡れながら、ただただ歩く。様々な思いが心に浮かんでは消えていく。

なんだか楽しくなってきた。なんども歩いたルートなのでつまらないかなと思いつつ来たが、そんなことはなかった。ひと月ぶりの山歩きだからだろうか。ここを歩くのも数年ぶりだからか。いや、そんなことに関係なく、山を歩くのは楽しいものだ。

このひと月くらいのもやもやが晴れた気がした。雨だから…というのは言い訳で、なんだか山に行きたい気分にならなかったのだ。飽きたのか、疲れたのか、他にしたいこともあるからか、山と少し距離を置きたくなっている自分に気づいた。

しかし登ってみればやはり楽しい。いつでもどんな山にでも、なにがしかの楽しみはある。登山は義務じゃないのだから、疲れたときは休めばいい。

愛宕山の急な石段を下りると奥多摩駅はもうすぐだ。温泉で温まってから、まずはビール、それから餃子、そしてその後はどうしようか。行きたい店はいっぱいある。

そんなことを考えていると、ますます楽しくなってきた。