山梨百名山

古本屋でたまたま手にしたこの本。
この表紙に魅せられて山梨の山を登るようになりました。

それまでは、山登りといえば近場の同じようなところばかりを登っていた(そういうものだと思っていた)のが、いろいろな山に登ってみようとするきっかけになった本です。この表紙のおかげで、ぼくにとって山登りが旅になったのでした。

山梨の山だけを登っていたわけではないので何年もかかりましたが、ようやく100のうちの99まで登り、あと残すはひとつだけ。

その最後の山へと行ってきました。

100番目の山は大蔵経寺山。駅から登ってもすぐですが、それではあんまりなので、兜山からぐるっと回って行きました。

これで100。山頂でささやかに祝杯をあげます。

山梨百名山を登って良かったこと。それは、百名山でなければ登ることなかったであろう多くの山に登れたこと。そして、なるべく縦走するようにして歩いたので、百名山以外の良い山にもたくさん出会えたこと。低い山にもマイナーな山にもいい山がたくさんあると知ったこと。誰も登ってこない山での孤独な時間。山に登らなければ訪れることなかったであろう町で、地元の人にまぎれて食べた食事。数え上げればいくつもあります。

百名山に対しては様々な意見があるでしょう。百名山の山頂だけを最短距離でピストンして回るというのはちょっとなとは思いますが、それもひとつのスタイル。逆に、百名山には登らないとか、なるべく避けるっていうのも、それはそれで百名山に取り憑かれてると言えます。

自分としては、百名山に選ばれてるってことは、少なくともその山が良かったという人が何人かはいるってことで、だれかが良かったというのなら、とりあえず登ってみたいなというスタンスであります。なかには、えっ?なぜここが名山?という山もあるにはありましたが、それもまた新鮮な体験です。

全国的な百名山は超有名山ばかりですが、地域の百名山には新しい発見がたくさんあります。

群馬、栃木、信州、新潟、静岡、富山、岐阜、埼玉、神奈川、他にもまだまだたくさんのご当地百名山があります。もちろん山梨の山もこれで終わりではありません。歩くべき稜線は尽きることがありません。

表紙に魅せられ、ここへ行ってみたいなと思い、なんとなく購入した山梨日日新聞社の山梨百名山。表紙の北岳へは何回か登りましたが、表紙の場所へはまだ訪れていません。白峰三山の縦走路からは外れているように見えるので、これはおそらく弘法尾根あたりからの北岳でしょうか。

北岳がもっともかっこよく見えるこの場所へも、行ってみたいなと思っています。