荒れ沢と急登と雪の山頂 – 四郎岳 / 燕巣山
踏跡が見えないと困るので明るくなってから歩き始めたが、開始5分でロストした。
沢に沿って登る道は荒れに荒れていて、道なのか道じゃないのかかわからない。
流木で埋まった沢筋を登っていく。ごく稀にあるピンクテープが、これで良いんだと示してくれる。
実は、一週間前にも登りに来たのだが、その日は朝から雨で中止にした。中止にして良かった。雨の日にこれは嫌だ。
下山後にGPSを確認したら休憩時間がやたらと長くなっていたのは、立ち止まって考えている時間が多かったせいだろう。
稜線に出ると、まあまあ明瞭なトレイルがありホッとした。
鞍部からまずは四郎岳を目指す。
トレイルがあるとはいえ、そこそこ荒れている上に急登の直登で、なかなか疲れる登りだ。
標高2156mの山頂には、うっすら雪が積もっていた。
高曇りだが、見晴らしは悪くない。向かいの白根山がよく見えている。
その横は錫ヶ岳だろうか。あそこまで歩いた日のことが懐かしく思い出される。登ったことのある山をこうして眺めるのは良いものだ。
いったん鞍部までもどり、次は燕巣山へ向かう。
こちらもなかなかの急登だ。
燕巣山の標高は2222mで、四郎岳よりわずかに高い。わずかの差ではあるが、四郎岳では山頂のみだった積雪が急登の途中から出てきた。
たいした積雪量じゃないのだけど、この角度だと登れても降りるのは厳しい。アイゼンを持ってきて良かった。予想外に早い降雪でスキー場がオープンしたニュースを見て、いちおうザックに入れておいたのだ。
山頂に着く頃には青空も出てきた。
楽しいコースの良い山なのに誰も登ってこない。
しばらく山頂で過ごしたが、そろそろ下山しようか。
雪の積もった急登をこんどは下り、荒れた沢を歩いて帰るのだ。
2023年10月