奥秩父の深い森 – 乾徳山 / 黒金山
植林の樹林帯をひたすら上り、カヤトの原を突っ切って、岩岩な登山道をよじ登り。
まずは乾徳山を目指します。
何年かぶりの乾徳山は、記憶の中の乾徳山よりずっと楽に登れて、高いと感じた岩壁もそんなでもありません。よしよし。
あの時は積雪もあり、天気が崩れて雪も降ってきたので、乾徳山で引き返しましたが、この日は絶好の山日和。黒金山へ向かいます。
乾徳山から先は、ぐっとワイルドな山道になります。歩く人は多くないのでしょう。踏み跡が薄くなっていたり、木々が繁って覆い隠されていたりもします。
鬱蒼として薄暗くて、とても雰囲気のいい道です。奥秩父らしい原始の森。人の手が入ってることを感じさせない森です。
森を抜けると黒金山の山頂です。
黒金山で写真を頼まれた老夫婦は、これで山梨百名山99座目だそう。残りは兜山だというので、いまごろすでに簡単に達成してることでしょう。けっこうなご高齢だと思われますが、笊ヶ岳や鋸岳はいつ登ったのだろう。何年がかりでの達成なのか聞いておけばよかった。
帰宅してから、山梨日日新聞社発刊の山梨百名山で数えてみたら、いまのところ48座に登っているようです。うーん、あのジジババの半分以下か…。
あんな風に地元の山にこつこつ登り続けるのはいいなあって思います。遠方の百名山やなんとかアルプスばかりに遠征して、おいしいところをちょいちょいつまみ食いするだけでなく、やっぱり自分の住んでる地域の山々の隅々まで知ってるっていうのが、山登り本来の姿なのではと思います。
黒金山からさらに先へ。西沢渓谷を目指します。
追いつかれた人ひとり、すれ違った人ひとりの静かな山道でしたが、西沢渓谷まで来たら突然の大賑わい。普通に普段着の人もたくさん。人がほんとにうじゃうじゃいました。
多くの人が訪れる場所と、そうでない場所の差って、いろんな要因はあるけれど、結局は情報量の差なんだなって。
個人的には、乾徳山と黒金山の間の道なんて、とっても素敵な場所なのにな、とも思いました。