いざ、白山へ! – 後編
二日目の朝。天気は良好。
今日は、室堂から御前峰、大汝峰へとメインの稜線を歩く予定だ。
まずは室堂までだが、通過しにくい雪渓があるらしく、それがどこだかよくわからなかったので、稜線ルートを取ることにした。稜線なら雪渓は無いか、あってもたいしたことないだろう。ちょっと遠回りになるが、景色も良いはずだ。
室堂は、巡礼地というよりは登山基地といった雰囲気で、多くの登山者で賑わっていた。観光地っぽいといえばそうなのかもしれないが、少なくともここにはロープウエイもケーブルカーもない。ここへ来るには、いちおうそれなりに登ってこなければならない。
山が賑わっているのを見るのは、それはそれでいいものだ。
白山神社にお参りし、お土産屋を冷やかしてから、御前峰へと登った。
森林限界を超えていて、どちらを見ても眺めがいい。振り返ると昨日の別山が堂々とした山容を見せている。
上へ上へと登るにつれて、同じくらいの標高にあった別山が、どんどん下になっていく。
山頂に到着。
山頂も多くの登山者で賑わっていた。そして、次々と新たに登ってくる。みな楽しそうだ。今日は、だれもが笑顔になれる日だ。
奥宮にお参りしてから、先へ進む。
剣ヶ峰側へと下る。
荒涼とした風景。点在する火口湖。白山が火山であったことを思い出させる。
白山が最後に噴火したのは江戸時代の1659年であり、それ以前にも、室町時代、平安時代、飛鳥時代に噴火が記録されている。白山は活火山なのである。
大汝峰へ登った。
こちらは広々とした山頂だった。避難小屋もある。ここでも花々が咲き誇っていた。
さらに先へ。
どこまで歩いて終わりにしよう。とりあえず見えてるところまでは行くか。
だんだんと歩く人も少なくなってきた。それでも何人かの登山者がいるのは、さすが超人気山だ。
雪渓を渡って北竜ヶ馬場まで来た。
北竜ヶ馬場のすぐ上の四塚山の山頂には行けないようだ。手前の七倉山もハイマツの藪で、山頂へは道が付いてなかった。このあたりのピークは踏ませてもらえないらしい。ここまでにして引き返すことにした。
帰り道、巻けるところは巻いて、南竜ヶ馬場へもどった。
三日目、この日は下るだけである。天気がいいのでちょっともったいない気もしたが、ここまでじゅうぶん堪能した。のんびり下ることにしよう。
三連休の最終日、下る人も多く、登ってくる人も多い。追いつき追い越され、すれ違い、譲り合いながら下山する。
ゆっくり歩いても、二時間半で別当出合に着いてしまった。
二日前にくぐった登山口の鳥居を再び、こんどは反対側からくぐり抜けた。
天気に恵まれ、景色は素晴らしく、充実した日々だったことを白山の神さまに感謝して、人里へと帰った。
2018年7月