ゆるゆる栃木の里山縦走 – 両崖山 / 行道山
足利駅前に車を停めて早朝の街を歩く。秋晴れの良い天気だ。街はまだ起きたばかりで、行き交う人もほとんどいない。
街の北西の織姫神社まで来た。急な石段を登っていくと、清白な境内、透明な青空、そして壮麗な朱色の社殿。
ここから山に入る。
織姫神社から両崖山、行道山と歩き、浄因寺へ下山する予定だ。
登山道は実によく整備されていて、道幅は広く起伏も少なく歩きやすい。
両崖山では、二年前の山火事の記憶がまだ生々しい。消化までに三週間以上かかった大きな山火事だった。市街地に近接しているので、住民の不安が大きかったのは想像に難くない。
一見したところ山火事の爪痕は見られなかったが、山中には火気厳禁の表示がそこここにある。
両崖山まであとひと登りのところで、縦走路から分岐して天狗山へ向かった。往復で1時間近くかかりそうだが、ここまで来たらついでに寄っていく。
天狗山には南野陽子が訪れたらしく、そのことを示す案内文が山頂標柱に貼られていた。そして火の用心の看板も。
縦走路にもどり、両崖山に登頂した。
両崖山から先も、穏やかな道が続く。いくつかの山頂を越えながら、次第に標高を上げていく。
大岩毘沙門天を過ぎ、ようやく登山らしくなってきた登り道を登り切ると行道山の山頂に出た。
驚いた。
あまり広くない山頂は、登山者でいっぱいだった。どこにこんなにたくさんの登山者がいたのかと訝しんだが、どうやら反対側から登ってきたようだ。足利駅前から反対側の登山口までバスで移動すると、この時間になるのだろう。
賑わう山を後にして、浄因寺へと下山した。
浄因寺は紅葉真っ盛りで、登山ではなくここだけ訪れる観光客の姿も多く見られた。
幹線道路まで歩きバス停の時刻表を確認すると、次のバスまで3時間以上ある。もとよりバスに頼るつもりはない。駅まで歩いても一時間半程度だ。
寄り道しつつぶらぶら帰ろう。途中でジャガイモ入り焼きそばでも食べようかな。
2023年12月