繋がる山々 2 – 小川山 / 金峰山

こつこつ登ってきた山梨百名山も、先日のアサヨ峰で93座になった。今回は94座目の小川山に登る。

といっても廻り目平からピストンでは楽しくない。いつも通り、そこから先に進んで金峰山まで繋げてくるつもりだ。

スタートからいきなりの急登。テント装備ではなかなか厳しい。

ほとんど樹林帯で展望はない。たまにあっても雲が上がってきたので、見晴らしは良くない。早朝こそ晴天だったが、すぐに曇りになってしまった。天気は下り坂のようである。

けっこうしんどい思いをして到着した小川山の山頂は、なんとも微妙な山頂だった。立派な山容なんだけどね。

なんとか百名山を登っていると、こういう微妙な山頂にちょいちょい出くわすからおもしろい。登る前から結論がわかってるんじゃ、登る楽しさがなくなってしまうから。自分では選ばないような山にも登れるのが、なんとか百名山のいいところだ。

小川山から先もルートはしっかりしていた。歩く人もほとんどなく、静かな山歩きである。

この区間、特に八丁平周辺の森は見事であった。奥秩父の中でもとりわけ荘厳な原生林。心静かな原始の森。あまりの素晴らしさに見惚れて、ほとんど写真を撮ってなかったのが残念である。

大日岩に着いたときには、雲行きがだいぶ怪しくなっていた。いまにも降り出しそうな空の色。遠くの雷鳴がだんだん近づいている。

時刻をみると午後1時。まだしばらく大丈夫だと思うが、先を急ぐに越したことはない。大日小屋まで30分くらい。なんとか天気よもってくれ。

急ぎつつも慎重に大日岩の岩場を超え、瑞牆山荘からの登山道と合流すると、とたんに賑やかになった。山頂付近はガスで見えず、雷も鳴っているというのに、こんな時間から登って行く人がけっこういた。子ども連れも多い。日帰りでなく金峰山小屋に泊まるのだとは思うが、雷雨に降られずたどり着けるだろうか。

分岐から大日小屋まで急いで下り、テントを張り終え、細い水場で水を汲み終えると、いきなり豪雨になった。ひっきりなしに雷鳴が聞こえる。それもかなり近い。樹林帯のテント場なので安心していたが、森林限界上でこれだと恐怖だろう。山頂を目指した人たちは無事に到着しただろうか。

夕方からはテントに閉じ込められたままで朝を迎えた。

ガスっているが、雨はほとんど上がっている。午前中のうちに下山できるよう、急いで山頂を目指す。

前日の疲れと荷物の重さで足が重い。森林限界を超え、五丈岩が見えてからも、なかなか距離が縮まらない。天気はいまのところなんとかもっている。山の天気は、だいたい早朝はなんとかなるものだ。

金峰山に到着すると、こんな天気にもかかわらず、それなりの人がいた。大弛峠から登ってきたようである。まあ、大弛峠なら短時間で帰れるから問題ないでしょう。

五丈岩を眺めつつ朝ごはんを食べる。ここは思い出の場所。いまの自分があるのは金峰山のおかげ。何年か来てなかったけど、やっぱりここは好きだな。

五丈岩がガスで見え隠れしている。けっこう風が吹いていて肌寒い。あまり長居をするような日じゃないので、早々に撤収した。

下山は一気に廻り目平へ降りる。このルートなら少々降られても大丈夫。ゆっくり歩いても午前中に下山できるだろう。

また、天気のいい日にゆっくり来ることにしよう。