京の都の奥座敷 – 鞍馬
鞍馬というと、山深い地というイメージだ。実際それは、京都の市街地から北へ10kmの山間部にある。山と山に挟まれ、谷沿いを流れる川と並んで走る狭い街道沿いに集落はある。
鞍馬山は山岳信仰の地であり、山伏による密教も盛んであった。そんな背景から鞍馬天狗の伝説が生まれたのだろう。幼少のころ鞍馬寺に預けられていた源義経は、鞍馬の大天狗から武芸を伝授されたと伝えられている。
山中の集落ではあるが、鞍馬は決して寂れた地ではない。
かつては、鞍馬寺の門前町として参拝客で賑わっていたという。いまでも訪れる人は多い。
集落内を通る街道は、鞍馬を過ぎて山を超え、若狭湾に至る。いわゆる鯖街道のひとつであり、鞍馬を通るのは京都と小浜との最短ルートである。鞍馬は京の都の北の玄関口でもあったのだ。
門前町として宿場町として物資の中継地点として栄えた鞍馬には、街道沿いに立派な民家が並んでいた。
入山料を支払い、鞍馬寺へ登った。思ったより急で長い階段を30分ほど登ると本堂に着いた。
ここからさらに奥の院へ登り、山を超えて貴船神社へ降りることができる。すでに午後の遅い時間であり、雨も降っていたので本堂までで下山したが、次回はぜひ歩いてみたい。
2022年3月