緩やかに山に浸る – 曲岳 / 升形山 / 黒富士 / 太刀岡山

先週は長い距離を歩いたので、今週は重い荷物を担いで登ろう。

長い距離を歩くだけではなかなかつかない脚力も、重い荷物を背負って登ると有効に鍛えられます。それに、来週のテント泊縦走に備えて、重い荷物に体を慣らしておかなくちゃなりません。

いつもの倍の水に、食材と調理器具をザックに詰めて出発です。観音峠から曲岳、升形山、黒富士、太刀岡山と登る予定です。

登り始めて早々から急登の連続でした。

そしてその後はヤセ尾根と岩場。想像してた道とは違って、なかなか手強い登山道です。

麓も3000m級の稜線も晴れてますが、ちょうどこのあたりの標高に雲海ができてるようです。展望はありません。真っ白なガスの中を登っていきます。

曲岳から先は穏やかな山道となりました。

縦走路から逸れて、升形山の山頂を踏みに行きます。ここはあまり歩かれていないようで、ところどころ消えかかった薄い踏み跡が山頂まで続いています。

ピークを踏み、次に登る黒岳を眺めてから、元の縦走路にもどるとき、ルートミスしてしまいました。薄い踏み跡をたどって下ったら、見覚えのない場所に出てしまったのです。どうやら間違った尾根を下ったもよう。

こんなときGPSがあると非常に便利です。地形図とコンパスでは難しく、また確実性にも乏しい現在地の把握が一発でできるのですから。

GPSさまさまです。

下り始めに見覚えのある場所を通ったので安心してましたが、左へそれなくてはいけないところを直進したようです。

登りで道に迷うことはまずありませんが、下りは、特にピークから下るときには、慎重なルート判断が必要となる場面があります。低山では地図に記載のない踏み跡がたくさんありますし、どこでも歩けそうに見えてしまうのでなおさらです。

GPSのおかげで正規ルートに復帰したので、次は黒富士を目指します。

こちらも縦走路から外れてピークへ向かいますが、よく歩かれてるようで、しっかりした道がついていました。

雲が切れて青空も現れてきました。天気は回復傾向のよう。

やっぱ景色が見えると高揚感が違いますね。

黒富士から先は、鬼頬山を越えて太刀岡山まで、5キロ弱の道のりを下り基調で進みます。

鬼頬山の先で、急な斜面をロープにつかまり、真っ直ぐ一気に300mほど下る以外は、緩やかな登山道でした。

太刀岡山まで来てお昼ごはんにしました。

いつもはひたすら歩いているので、時間の節約もあり、お昼に調理をすることはないですが、今日はのんびり登山です。しょうゆラーメンにエビチャーハンをいただきます。

山のランチでこんなに食べないだろって量を食べて満腹。麓の集落に向かってのんびり下っていきます。

途中で鋏岩というのがあったので立ち寄りました。

岩の反対側へ登ってみると、目の前には長閑な風景が広がっていました。

左側に見えるのは茅ヶ岳に金ヶ岳。そこから下るとスタート地点の観音峠です。観音峠の右手には最初に登った曲岳が見えています。さらにその先、ここまで続く稜線も。

空はすっかり晴れ渡り、ゆったり気分に浸ります。

鋏岩の先端でロープをごにょごにょしてたカップルが降りてきました。聞けば麓から岩を直登してきたそう。

クライミングもいいなって思いますが、あれはパートナーがいないとなにかと面倒ですからね…。

ひとしきり風景を眺めて、麓の集落に下山しました。

ここからさらに、先ほど見えていた茅ヶ岳、金ヶ岳に登って観音峠へ戻ることもできますが、今日はやめておきます。ゆったり気分のままで終わりたいので。

舗装路をのんびり2時間歩いて、駐車場までもどりました。