日本一長い名前の山 – 牛奥ノ雁ヶ腹摺山 / 小金沢山 / 大菩薩嶺

日本一高い山は富士山。
日本一長い川は信濃川。
日本一大きい湖は琵琶湖。

では、日本一長い名前の山は?

日本で最も長い名前の山は、大菩薩山系にある牛奥ノ雁ヶ腹摺山です。

変わった名前の山に惹かれるわたくしにとって、ずっと気になる山だった牛奥ノ雁ヶ腹摺山へ、日本一長い名前の山から、日本一高い山を望みにいきます。

南面はカヤトの原で、背中に富士山を感じつつ登ることになります。
もちろん振り向けば、いつでもそこに富士山が。

山頂も南側が開けていて、黒岳から大蔵高丸、ハマイバ丸、滝子山と続く稜線の先に、雄大に裾野を広げた富士山が浮かんでいます。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山は、秀麗富嶽十二景の二番山頂でもあります。

ここからさらに北の小金沢山も、同じ二番山頂にくくられていますが、牛奥ノ雁ヶ腹摺山のほうが開放感があり、雄大な眺めです。

気持ちよく静かで広々として、とてもいいところ。あまり登ったって話は聞かない山ですが、なかなかにお勧めであります。

日本で一番長い名前の山は制覇しました。では、二番目ってどこ?

牛奥ノ雁ヶ腹摺山が14文字なので、13文字の山があれば、日本二位なのでしょう。
カムイエクウチカウシ山、コイカクシュサツナイ岳、エサオマントッタベツ岳と12文字の山ならいくつかありますね。笹子雁ヶ腹摺山も12文字です。
どこか北海道あたりに、13文字の山名がないか探さくちゃ。

牛奥ノ雁ヶ腹摺山に登るついでに、歩いたことのない黒岳と小金沢山の間もつないできました。

この間、カヤトの原あり、コメツガやシラビソの樹林帯あり、笹原あり、広葉樹の森ありと、変化に富んだ楽しい稜線歩きです。
稜線のいたるところで富士山を眺められるのもポイント高い。

湯ノ沢峠から黒岳へ登る途中の白谷丸も、南側が開けたカヤトの原で、正面に富士山を望みます。

登る途中にも、あちこちに富士山を展望できる場所があり、この日も湯ノ沢峠に車を止めて写真撮影に来てる方が数名いらっしゃいました。

黒岳はコメツガの林に囲まれた神秘的な山頂。

以前に大峠から登ったときは天気が悪く、ガスに巻かれた樹林帯は神秘的を通り越して、おどろおどろしかったですが、この日の頭上には透き通った青空が広がっていました。

黒岳と牛奥ノ雁ヶ腹摺山の間には、川胡桃沢ノ頭という、かわいい名前のピークもあります。

小金沢山を過ぎ、笹原を抜け、石丸峠からの急登を登って熊沢山を超えると、大菩薩峠に到着です。

大菩薩峠では、あまりの人の多さにびっくり。いきなりのアウェイ感。

ここまでの稜線でも何組かの登山者とすれ違い、いつもはひっそりとした山域も、秋晴れの休日で訪れる人も多いのだなって思ってましたが、大菩薩峠は次元の異なる混雑ぶりでした。

その先の稜線もずーっと人の流れが途絶えません。登山道が広く、すれ違いで立ち止まる必要がないので普通に歩けますが、いちいち止まっていたら、ちょっとストレスでしょうね。

ここまで来たので、いちおうピークも踏みに行ってきます。大菩薩峠までは来ても、大菩薩嶺まで行くのは久しぶりです。

座れるとこにはどこでも人が座っていて、みなさん談笑したり、お昼ごはんを食べたりしています。親不知ノ頭も標高2000m地点も雷岩も、ずいぶんと賑やかでした。

わいわいきゃっきゃっと華やかな稜線に、単独のおじさんの居場所はないので、ピークを踏んだら、そそくさと下山します。

福ちゃん荘でコーラを買って休憩し、上日川峠からバスに乗って、車を止めた天目までもどりました。