もうひとつの二十六夜待ちの山 – 二十六夜山 / 赤岩 / 今倉山
旧暦1月と7月の26日に登る月を待ち拝んだ二十六夜待ち。
その二十六夜待ちにちなんだ山が山梨県東部にふたつあります。
ひとつは上野原市秋山の二十六夜山、もうひとつは都留市の二十六夜山。
秋山二十六夜山は昨年登ったので、今回は都留市の二十六夜山に登ってきました。
(二十六夜待ちについてのあれこれは、こちらの秋山二十六夜山の記事をご覧ください)
今回登った二十六夜山は明らかに都留市内にあるのですが、秋山二十六夜山と区別するために、なぜだか通常は道志二十六夜山と呼び習わされています。
山があるのは道志村内ではなく境界線上でもないですし、おそらく道志側からは見えないと思うんですけどね。
山頂から都留市側へ下ってすぐのところに、二十六夜塔があります。
正面には赤い「十十六夜」の文字。側面の文字は最後の「七月」しか判読できませんでした。
この二十六夜塔は江戸時代のものだと聞きます。江戸時代のいつかの7月に、麓の集落の人々がここで集い、二十六夜待ちをした記念なのでしょう。
秋山二十六夜山が山梨百名山に選定されているのに対して、道志二十六夜山は花の百名山に選ばれています。なんでも珍しいスミレが咲くそうです。
道志二十六夜山の山頂はとても眺めのいい場所です。
御正体山と鹿留山の間に富士山がどしりと構えています。反対側は山々が連なる奥秩父。
秋山二十六夜山は、樹林帯の登山道をずっと歩いた先にある樹林帯の中の展望のない山頂でした。
なぜ秋山二十六夜山が山梨百名山で道志二十六夜山が山梨百名山じゃないんでしょうね。まあ、名山っていうのは山頂からの展望だけで決めてるわけではないでしょうけどね。
道志二十六夜山から稜線を進んだ先の赤岩は、さらに展望のよい頂きです。
富士山、南アルプス、八ヶ岳に奥秩父、南には道志の山並みの奥に輝く相模湾も望めます。
ぐるっと360度の大展望。このあたりの山の中では屈指の眺めでした。
さらに稜線を登ると、山梨百名山に選定されている今倉山に至ります。
ここは…全く展望がありません。山頂は木々に囲まれています。
どうしてここが山梨百名山なんでしょうね。まあ、名山っていうのは山頂からの展望だけで決めてるわけではないでしょうけどね。
都留市から道志へ連なる稜線上では、この今倉山が最高峰となります。でも、名山っていうのは標高だけで決めてるわけでもないでしょうけどね。