あの頂のその先へ – 西穂高 / 上高地
さて、どうしよう。
新穂高温泉からロープウェイで登って来た登山客でごった返す西穂山荘まで来て考えました。
焼岳小屋から西穂山荘まではずーっと樹林帯。歩く人のほとんどいない静かな山道を、三時間以上かけてここまで来ました。
ここから下山して上高地をぶらぶらし、中の湯の上の駐車場まで歩いてもどる予定です。それで時間はいっぱいいっぱい。
だけど、まだまだ先へも行ってみたいじゃないの。
西穂は無理としても、せめて独標までは行ってみたい。
上高地から中の湯までタクシーで3700円くらいと聞いたので、それを使えば夕方に下山しても、暗い中を歩かなくてすみますし。
さて、どうしよう、と見上げる目の前には小さなピークがあり、穂高の山並みはその背後に隠れています。
とりあえず見晴らしのいいところまで登ってみようか。
山荘から少し登って丸山までいくと、周囲の展望が開けます。
左手には笠ヶ岳。右手には霞沢岳。眼下に上高地。
背後には乗鞍岳、焼岳と歩いてきた稜線。
そして正面には穂高の岩峰。
あそこまで行きたい!!
穂高の頂を真近に見てしまったら、そう思わずにはいられません。
しかし、さすがにそれは無理。
せめて独標までとも思いましたが、行って帰ってくるのに二時間ほどかかりますし、近いうちに西穂へ挑戦するのなら、独標へは必ず登ることになります。
だったら今回はここまでにして、上高地やその先を歩くことにしようかと。こちらは二度と歩く機会もなさそうですから。
それにこれなら「歩けるところは歩く」「タクシーに乗ったら負け」という自分の中の登山ルールにも合致してますし。
そうして上高地へ下山すると、いきなりのアウェイ感。
普通の服装の観光客でいっぱいの中を、登山姿にザックを背負ってぶらぶら歩きます。
大正ホテルから先は舗装路歩き。
釜トンネルを突破して、最後はうねうねうねうねつづら折りが続く旧国道158号線を登り、中の湯の上の駐車場まで帰ってきました。
最後にダルくて長い登りがあったり、思ったより時間がかかったりしましたが、不思議にとっても充実した一日だったのでした。