心に堪える山登りと心を癒す滝 – 尾鈴山
あー、やっぱり展望なしか。まあ予想はしてたけどな。

山頂の手前に「ビュースポット」を示す手作り案内板があったので、山頂からは何も見えないのだろうと予想してた。その展望ポイントからの展望も、わさわざ見に行くほどのものでもなかったのでなおさらだ。

登りの途中もまったく展望なしだった。樹高が低く圧迫感もあり、一方的な登りが続く。なかなかしんどい登りだ。
途中で出会った登山者が、キツい登りですねと苦笑いしていた。そこまで急でも長くもないのにキツいのは、体力的に以上に精神的にだ。長い林道歩きの後の圧迫感のある樹林帯の急登は心に堪える。

山頂では、まあこんなものだろうなと余裕でいたのだが、その先の縦走路もずっと展望なしの圧迫路だった。

歩いても歩いても風景が変わらない。ピークをいくつか超えるが、どれがどんなピークなのか区別できないほどに同じような景色だ。
まさかあの山頂直下のショボい展望が、この日唯一の展望になるとは思わなかった。とても良い天気なのに…。

まもなく下降地点というところで反対側からの登山者に出会った。彼は焦燥した顔つきで、山頂までまだ距離があるか尋ねてきた。つまり下山路も同じように精神に堪える道なのだろう。
残念ながら彼が目指す尾鈴山の山頂は、縦走路を歩いた先である。まだまだ距離があることを伝えると、目に見えて肩を落とした。がんばってくれ。

気の滅入る下山路を降り切ったところで白滝への分岐があった。正直もうお腹いっぱいだったし、滝なんて見てもどれもそう変わらない。余分に歩くのは疲れるから、行くのはやめようかなと思ったが、そんなに簡単に来れる場所でもないので、思い直して行くことにした。地図を見るとそれほど遠くはなさそうだし。

白滝は、これまで見てきた滝の中でも最も秀逸なもののひとつだった。写真ではよくわからないが、滝の左右の岩盤が湾曲していてホールのようになっている。滝壺まで降りると、なんだか自然の深さにすっぽり包まれたような気持ちがした。
流れ落ちる水の音、涼しげな空気、そして包み込むような岩肌。来てよかった。ここまでの疲れが癒やされる。

この後も、瀑布群の中を通る長い長い林道をうんさりしながら歩いて出発地点まで帰った。
2025年12月





