七つのピークを越えてまたもどる – 北八ヶ岳
麦草峠から大河原峠まで、北八ヶ岳の歩いていない区間を繋げてきました。
ただ繋ぐのではなく、踏めるピークは全て踏んで繋ぎます。
この区間にあるのは南側から順に、茶臼山、縞枯山、雨池山、三ツ岳、北横岳、大岳、それに双子山の七つのピークです。
このうち北横岳だけは巻き道がないので、縦走するなら必ずピークを踏むことになりますが、その他の山には登らなくても抜けられてしまいます。
茶臼山と縞枯山は、避けても登ってもあまり変わらないので、縦走するならピークを踏んでいく場合が多いと思います。それと、大河原峠や双子池からすぐの双子山には、登る人も少なくないでしょう。
でもこれってもったいないよ。
登る人のあまり多くない三ツ岳や大岳が、この区間の一番おもしろい山だったりします。
まあ、人が少ないっていうのが楽しさを増しているのはまちがいないので、いままで通り北八ヶ岳の中でも静かな山でいてくれていいのですけどね。
縦走するならおそらく通過するであろう茶臼山や縞枯山も、そのまま通過してしまえばただの展望のないピークですが、縦走路を外れたところに見晴らしのいい場所があります。
そういった登山道から外れた展望所や池にも寄り道しつつ、大岳からの手強い下りを降りて双子池に到着した時は、予定時間をだいぶオーバーしていました。
そこからさらに双子山を越えて、ようやく大河原峠へ。
大河原峠まで八時間半かかりました。でもここが折り返し地点…。車を停めた麦草峠まで歩いてもどらなくてはなりません。
帰りはピークを踏まない中腹の道をいきます。それでも四時間以上はかかります。
巻くことのできない北横岳への標高差500mの登りを一気に登ると、ちょうど日が沈む時刻でした。
西の空に日が沈みます。噴煙たなびく御嶽山の向こうへ。
そしてまもなく夜が訪れます。月のない夜は真っ暗です。
あとは二時間ほど下るだけ。ヘッドランプの灯りを頼りに、あわてず慎重にかつ急いで下ります。