奇石と太平洋、あるいは最後の登山 – 堅割山
宇都宮市内で痛飲した翌朝、どこか登ってから帰ろうと、家とは反対方向の海へと車を走らせた。向かうのは茨城県の堅破山。「タツワレサン」と読む。知らなければ読めない難読山名だ。
この辺りは同じ関東地方でも自宅からもっとも遠いエリ ...
春の雪
ぽかぽか陽気の春うららな土曜日から一転して、日曜は朝から雪が降り出した。まったく春が来たり冬に戻ったり忙しい。
降り始めた雪は、土と芝生を白く染め、やがてアスファルトにも降り積もっていった。しばらく目を離していたら、窓から ...
Tokyo Lockdown
満開の桜が風に吹かれて散り始めた三月最後の週末。陽気も良く、絶好の行楽日和を迎えたが、街は閑散としていた。
都知事による外出自粛要請を受けて、都立の施設だけでなく、民間でもこの週末は休業するところがちらほらあった。 ...
陽の光、降り注ぐ午後 – 城山 / 発端丈山
目覚めたら外は明るい。太陽の光が燦々と降り注いでいる。
金曜の夜はまっすぐ帰宅し、山に向けて車を走らせるのを通例としているが、昨夜は仕事帰りに痛飲してしまった。まあ、こんな週末もある。
それにしてもいい天気だ。 ...
冬終わりなば、春遠からじ – 仙人ヶ岳 / 石尊山
それにしても寂しい山だ。人の気配もないし、春の気配もない。
ハナネコノメが咲いていると聞いてやって来たが、沢沿いではなんの花も見つけられなかった。生命の気配もなく、あるのは葉を落とした疎らな木々と足元の枯葉ばかりである。
裂かれた丘陵 – 雹留山
閑散とした住宅地を抜けて、緩やかに蛇行する舗装路を登っていく。
東京都の西の果て、あきる野市の秋川丘陵を歩いている。
舗装路から未舗装の林道へ入った。
この林道に沿って、丘陵の稜線を進んでいき、秋川 ...
愛宕山へとつづく道 – 嵯峨鳥居本
都の西北、平野が終わり山の始まる山裾に鳥居本はある。
古来より神と崇められた愛宕山、その山頂に祀られる愛宕神社は全国1000社の愛宕神社の総本山だ。
愛宕山へと向かう道に沿って、鳥居本の集落は形成されている。
中世の社家町 – 上賀茂
京都市街の北のはずれ、中心部と比べてだいぶ川幅のせまくなった賀茂川を渡ると上賀茂神社だ。
賀茂氏の一族は、平安京に都が遷されるずっと以前からこの地に住んでいて、上賀茂神社もその頃から祀られていた。
神社の南東は ...
酒蔵と掘割 – 伏見
秀吉の伏見城建設より興った伏見の町は、戦乱や維新を経て商都へ、そして酒処へと発展していく。
月桂冠や黄桜といった全国的な酒造メーカーが、ここ伏見に醸造所を構えている。酒蔵は大規模で、酒造メーカー直営のレストランや博物館、イ ...
歓楽街と学問の神様 – 北野
北野は京の外れの歓楽街だ。その歴史は祇園よりずっと古い。豊富秀吉の大茶会が催されたのも北野である。
歴史は古いが規模は大きくない。その分、町並みも落ち着いている。歩く人も多くはない。
北野といえば北野天満宮も全 ...